【レースレポート】スーパー耐久 2018 Rd.6 岡山

【11/3-4】 ピレリスーパー耐久シリーズ2018 第6戦 スーパー耐久 in 岡山
レースレポート

 

 2018シーズンも最終戦。JAF GP に組み込まれSF、WTCRと併催。
タイトなスケジュールの土曜日の予選/決勝で、ポールポジションからの念願の初優勝。
夕方決勝のためいつもより観客も多く注目が集まるレースを制した。
「86/BRZレース クラブマンシリーズ」Rd.9 鈴鹿

 

今シーズン参戦4大会目、開幕戦と同じ場所ということで、データを持って水曜日入りでスタート。
40台以上が一度に走る予選。位置取り、タイミング、戦略も大切なファクターであることも既にわかった。
前回の予選でグループ2位、決勝セカンドロウ4番手をゲットするもスタートのミスと
中団グループの混戦で受けたダメージにより上手く行かなかった悔しさを糧に
集団に巻き込まれない位置からもう一度スタートできるように、一発の速さと
そこからロングに入ってもタイムが安定するセットを作り逃げ切りパターンを目指す。


Day1:FP(専有走行)いつものスプリントレースやイベント時と違う岡山国際サーキットの朝。
1年ぶりのS耐参戦。2012年に1回、13年に2回、15年に1回、16・17年と2年間フル参戦と
間は抜けているが7年目の今回は、初の2カー体制でチャレンジ。
2018シーズンよりタイヤがピレリに変わってからの初のレース。
練習走行枠でおおよそ45分までしかロングランのテストができておらず、
各1時間のセッションで様子を見ながら、各種データ採り開始。

<1本目>決勝スタートと同じ8:30よりセッションスタート。
気温・路面温度等の条件も近く、燃費・タイヤ、各セクターの通過時間等の
データを集めるのに大事なセッション。
11号車は大西選手が全く予想していなかったクラス2位のタイム 1'51"625 を記録で良い感触。

103号車、大江選手から林選手にバトンタッチしたあとに突然のエンジントラブル。
そのまま、スペアエンジンに載せ替えのため、この日のセッションを終えてしまった。

<2本目> 11号車 1'52"710 少しセットを変えたり予選・決勝用のタイヤ、ブレーキ作りをすすめて
クラス6位タイム、1位のクルマが周りを1秒以上突き放していたが
おそらく15インチピレリタイヤには無い黄色いレタリングが入っていたので来年のタイヤをテストの様に見えた。
それを抜けば2位までは1秒以内。25LAPくらいまでの全体の決勝ペースは見えた。

<3本目>1'52"060 クラス3位 トップとコンマ3秒差
予選の燃料量を決めるため、Newタイヤからアタックできるまでのタイミングの最終確認。
最終枠、各チームエースドライバーがアタックしていたのを見ると
予選タイム上位はこの辺り。4位とはコンマ2プラス

この日の晩は、A/Bドライバー合算なので、上手くいけばポール。だめでも3位の予想。
決勝ロングランペースはおおよそ4-5番手タイム。
ピットワークが上手くいけばあわよくば3位を狙いたいと話していた。

最終的に1時間以上のロングランが試せていないため、
内圧と路面温度、タイヤの作動温度の関連性は
今ひとつ掴めなかったが、熱がこもると一時的に性能が落ちる
特性を確認し、ドライバー間では対処の乗り方が決まった様だった。

Day2:FP(FCYテスト)/ QF
11号車:PP / 43台 A/B合算 3'44"043
103号車 : DNQ <エンジントラブル>

<FP4>
FCY(フルコースイエロー/フルコースコーション)のテストを含めた
フリープラクティス。FCYはSCが入るほどではない時、
コース上の車両が各ポストから出る、FCYボードとイエローフラッグを確認し、
その場から50km/hに減速し、追い越し禁止になるシステム。
解除時は各ポストより、FCYボードが撤去、グリーンフラッグの提示で全開スタートとなる。
サーキット側からはFCY用の無線の貸出があり、FCY10秒前と解除10秒前と解除時に連絡が入るが
そのシステムチェックと、ドライバーの練習の時間として設けられた。


2018シーズンより導入されたシステムのため、チームとしては初体験、
11号車は大西選手が、
103号車は西野選手の走行時にFCYが導入された。

103号車は前日のエンジントラブルからスペアエンジンに載せかえ、
西野選手が余裕の1'54”秒台、林選手もそれに続き、予選・決勝に向けて
期待ができるセッションとなった。

<QF:予選セッション>

<Aドライバー>
■ 11号車:大西 隆生 選手 1'51"893 P1/15台
■ 103号車 : 大江裕之 選手 1'56"757 P15/15台
予選開始。103号車を従え、11号車がコースイン。ピレリタイヤの特性上、
熱が入るまでに数周が必要なため少しの間ランデブー走行。
各チーム同じく、スローペース。BloodSportsの2台は
前日、一度もアタックできていない103号車を引っ張りながらペースを上げてアタック。
in/out含め約7LAP、4Lap目に記録したタイムがBSET。
残り2分半まで1位を譲らなかったが最後に更新され、P2で終了。
103号車大江選手は、載せ替えたエンジンの調子を
チェックしながら
15分間を目一杯走り切った。

<Bドライバー>
■ 11号車 : 三木 孝浩 選手 1'52"150 P6/14台
続くBドライバー予選。スタート前に再び103号車がエンジントラブルによりストップ。
11号車のみのアタック。4Lap目にベストタイムで1位にコンマ6秒届かず
クラス6位。Aドライバー予選だと2位になった大西選手に続いて3番手タイムなので
Bドライバーに速いドライバーが固まっていた。

ここで、A/B合算タイムにより、
ST5クラス1位 初のポールポジション獲得。

<Cドライバー>
■ 11号車 : 東條 正志 選手 1'52"996 P3/13台
C/Dドライバーは予選グリッドには関わらないが、各チームの
Usedタイヤでの決勝ペース確認するために多くの情報をもたらす。
東條選手のベストラップは5Lap目でマーク。クラス3位

(P2+P6+P3)÷3 = P3.6 ここまで、平均4位以上。

問題の決勝ロングランペースは予選の約2秒落ち1分54秒台前半を想定。
決勝3時間 を1分54秒台で走ると 93-94Laps 優勝を争うには95Lapを目指すことになる。

あとは、燃費とタイヤのライフ次第。
ST5クラスの燃料タンクは、エンジン側からガソリンを抜いて45L以上抜けてはいけないということ、
専用の給油装置で一度に最大20Lの給油しか出来ないレギュレーションがある。
あと、ドライバー交代を含む最低ピットストップ回数は2回のため、
上位を目指すには、給油2回 45L+20L+20L 最大85L で
95Laps+サイティング、フォーメーション、インLAPを入れた【98Laps】を走り切る必要がある。


 

 

 

Day.3:FP(専有走行)P8 / 43台 BEST 2'33.739

エントリー88台のため2つにグループ分け。出走は43台
610号車 大島選手は1グループ。走行はこの1本のみでアタックも1度きり。
しっかりタイミングを見てスタートするも、残念ながらセクター1/2で引っかかり1~1.5秒をロス。
アタック後は、一度ピットイン。タイヤをチェックし、その後は練習で合計9Lapsで終了。
ベストタイムTOPとのギャップは約1.3秒。手の届かない位置では無いが全員が
タイムロスしている可能性があるので安心はできない。

そして、そのまま車検でECUも封印しクラブマンシリーズには珍しく車両保管で
翌朝を迎えることとなった。

 

 

 

Day.4:QF / FN 早朝6時に車両保管解除。8時の予選に向かって心配していた雨が止む。
ドライバーブリーフィングでは当日1番最初の走行のため、ウェットパッチの確認と
タイヤの熱入れをしっかりと行うようにアドバイスがあった。
前回と同じくダンロップタイヤの担当の方に話を伺い僅かにウェットよりのセットで挑む。
今回、大島選手はグループ1 奇しくも予選TOP10の常連がほぼ固まる事態に。
かなりの激戦が予想されたが、すでに路面はウェットのためタイヤの消耗も僅か、
そして、セッション途中の赤旗中断も予想して、最初から2アタック分の燃料を積込み飛び出した。





すると、ほぼ全車が並ぶ。運良く先頭近くで並んだ大島選手。
まず1回目のアタックでP1に入りクールダウン。
すると、路面状況が良くなる度に更新されP5まで落ちるが残り3分
4Lap目、セクター1 赤(全体TOP)/セクター2 赤/セクター3 赤 でセクター4 赤 P1!!
さらに、アタック後は残り1分半で 「Red Flag 赤旗」セッション終了。

続く2グループも上位2台のセカンドアタックで赤旗中断により結果
予選総合【1位 / 83台 】初のポールポジション。

 



== 決勝 ==


 

雨によるセッションの中断等、運も味方し上位の常連勢が中団からスタートする。
逃げ切りパターンの準備もできて、15時 Aレース 決勝スタート進行

岡山、韓国入れてスーパーFJで今シーズン7勝中の大島選手、
それでも40台フルグリッドの先頭に着くというのは格別だったかと思うが
今シーズン、86/BRZ Race 初参戦のチームにとっては初のポールポジション。
応援に訪れた、皆、場内モニターに映る姿からストレートに帰ってくるまで
誇らしげな笑顔で整列を見守った。

グリッドで、ホイールナットの増し締め、タイヤ内圧の最後の調整。
ロング(といっても30分ほどだが)のペースもセットも可能な限り
ベストを尽くしセットアップした。

あとは、ドライバーに託す。

決勝、シグナル消灯から

スタートは飛び出しに成功。
ペースは悪くないが、上位4台がぴったり離れず続く。
ベテラン選手が、揺さぶりを見せるごとにブレーキングで
ペースが乱れる。

すでにチャンピオンを決めたドライバーや前年度のチャンピオンを従え、
まさに後半にタイヤを持たせられるかが勝負の分かれ目。

3LAP目、ややセクター3が苦しい。
スプーン立ち上がりで後続が迫るが

その時、130Rでイエローフラッグが振られ助けられる。

つづいて、4LAP目もそのままイエローでバックストレートエンドは
パッシングができない、5LAP目 ついに130Rのイエローが消え勝負開始。
そのまま130Rを立ち上がると、シケインで3位チャンピオンが2位昨年チャンプにしかける。
2台のペースが落ちる。その間に大島は逃げ 1.3秒差。これで勝負が見えたかというところで
6LAP目 130Rで横転車両。その直後、S.C.導入。途中で 「Red Flag:赤旗」振られレースが終了。

フィニッシュラインを超えずに、そのままパークフェルメへ
5LAP目の順位でレースが成立。





待望の 優勝 【 1位 / 83台 】🏁
シリーズポイント 1位10P、ポールポジション 1P、完走 1P 獲得
この結果を持って、【ランキング 10位 】で2018シーズンを終了。

多くの幸運にも恵まれた1勝だが、最高の週末となった。

==

▶ドライバーズコメント

決勝の感想は?
スタートが決まったので、逃げ切れるかと思ったんですが、
トップ集団の中で一番ペースが遅かったんじゃないかと思うほどペースが上がらず
しんどかったので何とか初優勝を飾ることができて、本当にうれしいです。

2位の選手については?
普段ピットでは、気さくで優しい方なんですがコース上では、すごくプレッシャーがキツくて
相手にするとホント大変です。

気の抜けないレースを守りきったということですね?
また次も期待しています。

 

 来年以降も、引き続きこの位置で走れるようにがんばります。

 


ここに至るまでにご支援賜った、スポンサー、サプライヤー、サポーター各位に御礼申し上げます。
また、クリーンなレースへ導いてくれた昨年チャンピオン、また今シーズン
ルーキードライバーへ温かい言葉をかけてくれたドライバーの方々へもこの場を借りて感謝申し上げます。


 







 














 

 

■大会概要

大会名:第17回 JAF鈴鹿グランプリ
     TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2018 CLUBMAN Series第9戦
開催地:鈴鹿サーキット(一周:5.807km)
開催日:10/27 1Day開催

■エントラント
車両名:TeamMDI/BSR86
ドライバー : No.610 大島 和也

■鈴鹿サーキット レビュー

10/27 Gr.1 予選 (アウトサイド)
(天気:雨/ コース状況:ウェット )
BEST 2'38.496 LAP 4/5
予選 Gr.1 1位/43台 総合 1位/83台
決勝 1位/Aレース 40台
(天気:晴れ/ コース状況:ドライ)

■ TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Web Site

Clickで開きます。▶ リザルト  / フォトギャラリー 

 

■パートナーシップ

ネッツトヨタ京華株式会社 Winmax : エムケーカシヤマ株式会社Moty's :オーエムシージャパン有限会社
Rays :株式会社レイズEXEDY : 株式会社エクセディ Battery Energy Drink :株式会社エビデンスラボ /
M&S cam : 有限会社スペックプランニング 敬称略順不同


■レースの写真はこちら 


↑CLICK 

サポート企業各位、応援してくださった皆様ありがとうございました。

次回参戦は、2019年シリーズ となります。
上位入賞、優勝を狙いますので応援よろしくお願い致します。


Photo: K.suzuki / Satoru.E
Report : Satoru.E